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博物館・美術館などでの展示会

ガンダーラ美術とバーミヤン遺跡展 2

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わたくしが展覧会に出かけた当日は、福岡アジア美術館8階のあじびホールにて、「『ガンダーラ美術とバーミヤン遺跡』展《仏教入門講座》 ガンダーラ美術とインド世界」というタイトルで、熊本県の崇城大学芸術学部の先生の講座がありました。

入場無料。もちろん、展示品を見る前に講座に参加しました。講座は「ガンダーラ美術の世界」から始まって「ガンダーラ仏陀像の諸相」「菩薩像/仏説法図」「仏伝図~仏誕生図と涅槃図からみるガンダーラとインド世界~」「守護神・装飾」の全5章です。世界史、特に東洋史が好きな人にはたまらないでしょう。

印象は大学が開設する社会人講座といったものでした。参加者はかなり多かったようです。わたくしは展示品を見る前に講座に参加できて、ガンダーラ美術への理解がより深まったのは収穫でした。

講座のあと入場口にてチケットを購入、展示品を一つ一つ見てゆきます。仏像の表情も最初期はギリシャ彫刻の影響が感じられつつも、時代が下がるにつれ、アジア系のそれになってゆきます。中東から伝わったアジア仏教は、シルクロードを伝ってインドや中国、果ては日本まで伝播します。日本への仏教伝来は(諸説ありますが)、6世紀(西暦538年)、欽明天皇の時代に百済の聖明王が仏教を日本にもたらせた説が有力です。

会場は全9章で章立てで展示されています。第1章「仏陀像」から第2章「菩薩像」、第3章「仏説法像」、第4章「仏伝図」、第5章「守護神・装飾」、第6章「パキスタン・アフガニスタンのストゥッコ」、第7章「アフガニスタンの流出文化財」、第8章「バーミヤン遺跡」そして第9章「西域の仏教美術」です。

個人的には第8章の展示が迫力ありました。特に、タリバンによって破壊されたバーミヤン遺跡の修復の状況を知ることができました。一度壊されたものはもう二度と元には戻りません。日本をはじめドイツやイタリアなどが資金提供をして遺跡の修復に当たっています。

今回、物販コーナーで購入したものは図録と音楽CDでした。タケカワさんの音楽は会場全体に流れるのではなく、会場のある地点地点にてスピーカーから流れるものでした。そのどれもが控えめで決して大音量ではありません。本当にささやかな、展覧会の世界を邪魔しない、といった印象でした。